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09/03/2005

素数ゼミと映画 「愛のキンゼイ・レポート」

『素数ゼミの謎』という本を最近何日かで読み終えた。

いやぁ、面白かった!
サンデー毎日の中野翠の連載コラムで本の名が目に入っていたが、そのページを電車で読もうと破ってリュックに入れていたのになくしてしまい内容がわからないまま数学をわかり易く説明した本かな思っていた。(昔から素数という言葉が何故か気になるのだ) 

本屋で見つけて開いてみると数学のゼミではなくて昆虫のセミの話だった。  アメリカ本土だけに13年毎または17年毎に現れる蝉で「素数ゼミ」と呼ばれている種のことだった。  名付けたのは日本人生物学者吉村仁博士。 日本やアメリカ以外に生息する蝉の幼虫は、地中で木の養分を吸いながら育ち、6~7年で温度によって這い出し羽化し、2週間の間に相手を見つけ交尾し木々に卵を生み付け死んでしまう。
 

《最近観た映画『皇帝ペンギン』も過酷だったが蝉もまた過酷な人生だ、と人間の私は思うのだった》

素数ゼミはその倍以上地中にいるなんて信じられない!  「なんで?」と誰だって思うだろう。  氷河期と進化によって温度で決まっていた羽化時期が13年と17年という時間周期に変わり、オスとメスが出会いやすいように同じ地域にドッと発生するようになったのだそうだ。  絶滅しなかった種が素数の年周期だったので「素数ゼミ」。  オスがいくら鳴いて呼んでもメスとうまく出会えないと交尾できずに死んでしまい、出会えても違う周期のセミと交雑を繰り返すと絶滅することになる。

うぅむ、突然だが人間は大丈夫なんだろうか?

皇帝ペンギンで動物界はシンプルだなぁと思ったばかりだったので、素数ゼミでまた人間はどうなのか考えていたところへこないだ映画『愛についてのキンゼイ・レポート』を観た。  

SEX意識・生態についてのレポートだというのは有名で知っていたが、なんとキンゼイ博士は元々は昆虫博士だったのだ。  特にクマバチの研究で有名なのだそう。 キンゼイ・レポートを発表する前にはクマバチの標本を何十万匹(百万単位だったかも)も集めている。 
厳格な父親との確執も描かれているが、キンゼイ博士の研究に対する純粋でくそ真面目さが引き起こすアンビリーウ"ァブルな出来事、周囲を傷つけたりもするが憎めない人柄も描かれている。 クマバチは一匹一匹みんな違う、どれひとつ同じでないということに気づき、自分や世の中の性的悩みから人間の標本(?)作り、アメリカ全土で老若男女にインタビューを始める。  

当時そのレポートの内容は原爆クラスの衝撃と言われたらしい。  ゲイの調査も行い、性の悩みを抱えた人達が自分だけではないのだと救われる反面、キリスト教団体や保守的な方面から叩かれたりもする。 しかし博士の人間にとって大事なことだという信念は揺るがない。  博士は異常なことなどないと自らバイセクシャルにも挑戦(?)するのだけれど、誰もが理解できることではなく研究の援助金は打ち切られる事態をも招く。

人間にとって性は繁殖・子孫繁栄だけではない。  快楽は何のためにあるんだろうか? 繁殖させるために与えられているんだろうか?  素数ゼミの進化を思うと、人間はこれからどうなっていくんだろうかと考えずにはいられない。 千年後、一万年後…。男性が女性化して性がなくなることだって考えられる。 日本人という人種が絶滅に瀕しているかもしれない。 「なんで?」という不思議なことが起っているのだから。

ひとつ言えることは、素数ゼミも皇帝ペンギンも人間も大事なのはこの世でふさわしい相手に出会えることのようだ。 

                                       

携帯から

* 複雑なのは「愛」というものがあるからだなぁ。

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