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10/06/2005

映画 「ジャマイカ 楽園の真実」

先週、渋谷の「UPLINK X」という映画館へ初めて観に行った。 映画館というより小さなサロン。 板の間にいろんな椅子が置いてありプロジェクターで観る感じ。 画面は小さいが気に入ってしまった。

ジャマイカのドキュメンタリーと言ってもレゲェ等の音楽映画でないのは知っていたが、かなり重い内容だった。
なんてこった!
悲惨という言葉がほんとにあてはまる状況だ。 しかもそれが現在ではもっと悪化しているのだ。 (この映画は2001年の製作だから)

ジャマイカの農場では誰もみなタマネギを生産していたが、貿易自由化によりスーパーはアメリカ産のタマネギの方が安いのでそっちを仕入れる。 いつの間にか地元でタマネギを作る者はいなくなってしまったそうだ。

乳牛から搾るミルク(生乳)も同じくアメリカ産のミルク(脱脂粉乳)に座を奪われ毎日多量に処分しなければならない。 乳牛は毎日搾乳しなければならないというのに。 脱脂粉乳のために生乳を捨てるなんて考えられない! 信じられない! 赤ん坊にミルクがなくて餓死させてしまうような状況があるこの地球上で。 何がグローバリズムだ! 農場主はやっていけなくなり、大事に育てた乳牛を食牛として手放さなければならず、哀しげな牛の後ろ姿と見送る農場主を見ていて胸が張り裂けそうになった。

バナナはジャマイカの主要な農産物(輸出)なのにアメリカ産(チキータなど)のバナナに食われてしまい農園が減ってしまったそうだ。

キングストンの海岸近く、倉庫のような建物が並ぶ『フリーゾーン』と呼ばれる地域があり、そこの工場ではミシン等が並び女性達がアメリカのブランド(ブルックスブラザーズ等)の縫製をしている。 ある時から団体の中国人を雇い入れ地元民がクビに。 経済は苦手で詳しくはわからないが、タックスフリーな場所なんだろう、賃金が低く生産できる場所なんだと思う。 4年前の時点でメキシコに移りつつあり、そしてその場所さえ工場より倉庫に変わりつつあるとのナレーションだった。 (そういえば昨日生徒にもらったハワイのお土産のTシャツの1枚はメイドインメキシコでもう1枚はメイドインホンジュラスだった)。

独立するということは自立しなければならず、しかし自給自足できるようになるには大変。   開発の援助のために設立されたというIMF(国際通貨基金)や世界銀行からの借金となる。 支援のためという構造調整プログラムと呼ばれる厳しい条件つき融資が用意されているが、ちっとも援助になってなくて年々利率が上げられ、通貨切下げ、賃金カットなどで負債は増すばかりなのだそうだ。 返済だけに追われゆとりない財政状態で国の経済は崩壊寸前。 現在は失業者が更に増え毎日のように暴動が起きている状況らしい。
そのジャマイカにアメリカからの観光客がやって来る。 きれいな海とレゲェ以外何も感じないんだろうか?

かつてはメイドインジャパンの時代があった。 今では日本はIMFにおけるアメリカに次ぐ出資国なんだそう。 うぅむ、複雑な気持ちになる。 ジャマイカとの共通点は自給自足できないことだけだろうか?
グローバリズムやグローバリゼーション、グローバル経済という言葉を見たことはあった(興味はもったけれどピンとこなかった)けれど、これが実態なのかと愕然とした。

海は青く美しかった。

 

* 隣に座っていた大学生のカップルはもっと軽い内容だと思って来たけれど、いい映画だったねと話し合っていた。 なんだかホッとした。

                                

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