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February 2006

02/28/2006

無事に帰って来てね!

何日かほとんど寝ていない。 

周りのミュージシャンのBlogやmixiに書かれていることだが、闘病しながらライブハウス経営を続けている「りぶる」のマスター須田さんが行方不明になってから1週間以上経つ。 癌と宣告されたが、同病の友人とお酒を呑んで笑い暮らしていたらある日検査で癌細胞がなくなっていたという人だ。 

2月に入り体調悪く、半ば頃には店でつらそうに座っていたそうだ。 お母さんに病院に薬をもらいに行くと言って車で出たままなんの連絡もなく帰って来ていないそうなのだ。 既に捜索願も出ている。 昨夜までにわかったことは、病院には行かず荒川区方面に向かったそうなのだ。 警察の路上のシステムで車のナンバーが確認されたが、そこからの足取りは不明。 

どこかに行きたかったのだろうなと思うけれど、みんな心配でたまらない。 無事に帰って来てと気持ちを送り続けているが・・・。

私と加藤崇之の「夢」DUOは「アケタの店」の土曜の深夜の部と「りぶる」での月1回のライブから始まった。 加藤に誘われ歌い始めいろいろ実験もし、「ロブノール」や「僕の禅」の詩を書いて初めて歌ったのは「りぶる」だった。 もう15年近く経っている。 15年以上かもしれない。 マスターの「シューミー、偉いね」の一言が励みになった。 ジャズの世界ではアイツら何やってんだというような時代だったので「りぶる」でのライブは貴重な時間だった。 聞いている人がいいとミュージシャンは育つのだ。 特にマスターはポリシーがないといいミュージシャンは店には集まらないと思う。 すばらしいマスターなのだ。 マスターに聞いてもらいに行っていたと言っても過言ではないくらいなのだ。

私は何年か出演していない。 ちょうど4月にスケジュールをと思ったところに、加藤からマスターが行方不明との連絡があった。

マスター、どこにいるの? CDを渡したいよ。 聞いてもらいたい曲あるよ。

                                

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映画 「ミュンヘン」 3

一雨ごとに春が近づくと言うが、ほんとに暖かくなってきた。 季節に関しては毎年のことなのに初めてのように感じてしまう。 ずっとビルの中にいたのでわからなかったが、駅お電光掲示板を見ていると強風のニュース、春の嵐のようだ。 春一番がもう吹いたのだろうか? 

アパートのエントランスの花壇にはパンジーが咲いている。 菫色のパンジーが一番好きだ。 去年、ここに引っ越して来た時にも咲いていたのを思い出した。

バイト帰りにまた「ミュンヘン」を観た。 何もすることがなくて、これを徒然なるままにと言うだろうか? それはともかく、ラストシーンを確かめたくてふらふらと映画館に向かってしまった。 

主人公のアブナーの妻が「あなたの祖国はイスラエルよ」と言うとアブナーは「僕の祖国は君だよ」と言う。 ラストシーンでその言葉がよみがえってきた。 アブナーにとっては「祖国」である妻が住むブルックリンから見える景色なのだ。 

ツインタワーに懐かしさを感じるのは半年住んだことがあるからだけでなく、マンハッタンの景色が好きだったからだけでなく、その姿をテロ以前の平和の象徴のように感じるからかもしれない。 

                                                

*映画の色合いがリドリー・スコット監督の「ハンニバル」、レクター博士が住んでいたフィレンツェの色合いと似ているなぁと思いながら観ていた。

                                                                                            

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02/21/2006

映画 「クラッシュ」

風邪で2、3日寝ていた。  咳がひどいタイプだ。 

ひき始めに気づかずバイトに出かけ、着いたのは朝礼が始まる時間だった。  オンタイムは遅刻扱いなのだ。(遅刻ではなく朝礼遅刻) 気がついたら熱で汗びっしょりになっていた。  その日はどこか朦朧としていてタイピングも妙な変換ばかりだった。 処理すべき操作を忘れた気がしてチェックするとちゃんとログがあったり、間違いないと思ったものをかえって忘れていたりチグハグ状態。 

ピアノを弾くのも同じで、普段はスラスラ弾けているものをミスタッチしたりする。
疲れたり考え事したりして集中できないと注意力はダウンする。 人間は歩くことからして知らないうちに集中しているわけだなぁなどと考える。 風邪をひいたりして体調が悪い時にこのことを今更ながらに驚く。 生きていること自体集中の連続なんだ!  疲れがたまり体力が落ちてくると始めは気力で補っているが、その気力も 体力が落ちきってしまうと支えようがない。 精神に影響が出るのは自然なことだ。

先週始めにバイト帰りに観たポール・ハギス監督の「クラッシュ」は予告編を見てすぐに特別観賞券を買っていた。 監督が「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いた人だということもあるが、予告編だけでいい作品の予感があった。

観終わって、まず考えたのは「愛」が時に「武器」になるということ。 昔から考えていることのひとつだ。 愛し合っているのに傷つけ合う、このことは大きな単位で考えれば人類全体に当てはまる。 親子喧嘩、兄弟喧嘩、夫婦喧嘩などの内容はそのまま国と国の問題と変わりなかったりする。 家族内ですれ違いが起こると始末に負えない場合がある。 遠慮のない間柄だから平気で罵詈雑言並べ立てる。 

相手の本心からではない言葉を、心に余裕がないと翻訳(私はそう呼んでいるのだがほんとは何を言いたいのかを察すること)できず、それが本心のように聞こえ、それに対して心に痛みを覚えながらひどい言葉を返す。心にもないことまで口走ってしまったりする。相手が本心じゃないとわかってくれるだろうと無意識に思っているように感じる。言いながらびくびくしたりもする。この後のフォローがないとお互い傷ついたままになってしまう。

フォローにはかなりエネルギーが必要なので、難しい問題からは逃げ出したい者たちにはそんなことする余裕はない。 捨て台詞言ったりガチャンと電話を切ったりすごい音立ててドアを閉めてその場を逃げ出す。 この小さな傷が重なり治しようのない大きな傷になりぱっかり傷口が開いたままになってしまうと、第三者の介入や時の流れで修復はできることがあっても醜い傷跡が残ってしまう。

映画は人種差別を扱っているように言われるが、私が注目したのはそれ以前の人種差別した人間の精神状態だった。 マット・ディロンやサンドラ・ブロックがセクハラ警官やビッチと呼びたくなるような上流婦人を演じている。 これがうまい! 気分悪くなるくらい嫌な奴になりきっていた。

ひとりでは背負い切れない問題をかかえて疲れていたり、日々の生活での不満や怒りが沸騰点に達していたり、心がささくれだってピリピリ過敏になり些細な事ですぐ衝突。 LAに住んでいた友人からロスは車がないと動けない社会だと聞いていた。 映画では交通事故や警官に車を止められるシーンが多い。 人と人、車と車、人と車、ぶつかることからまき起るいくつかのドラマを描いている。 そのドラマが絡み合ってひとつのドラマになっている。
無意識のうちにぶつかり、ぶつかることによって自分の存在確認をするというようなことがあるかもしれない。 「触れ合う」の延長線上に「ぶつかり合う」がある。

人種差別については、私は根っこは「恐怖」だと思っている。 ひとりで道を歩いていて知らない人に出会ったら、怪しい人間ではないだろうかと不安になるみたいな。 知り合ってみたらすごくいい人だったみたいな。

携帯から

                                     

                                                 

* ↓田園都市午前三時Blogに書き込んだのをコピペ。

「恐怖」だと思う。 戦争が起こる始まりだと思う。 

いつも考えるのは、ある場所で(無人島でもいい)ひとりで歩いていたら向こうから知らない人が来る。 自分の性別・年齢・肌の色・身なりと相手とを入れ替えて考える。
これが動物だと、猫ならかわいいが犬だと怖くなってくる。
石投げて逃げるかもしれない。

恐怖を抱き「殺す」にいたる。
私はゴキブリ殺してしまう。(いっしょにするな?) 

                                         


                            

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02/18/2006

ミュージシャンのためにも署名お願いします

こんなことって信じられない! 

大好きなフェンダー・ローズやアナログシンセなど、いい楽器が消えてしまう。

噂に聞いていたけれど、この法案が決まるとシンセ・アンプ等の楽器の中古品を売れない買えないということになるらしい。 いったいなんなんだろうか? こういうこと考える人達って。 Yahooオークションでも困っちゃうよね。

電気用品安全法(PSE法)に対する署名
http://www.jspa.gr.jp/pse/ 

署名お願いします!

電気用品安全法(PSE法)とは? → 

ヴィンテージ電子、電気楽器 石橋楽器買取販売終了のお知らせ
http://www.ishibashi.co.jp/nagoya-sakae/used/used.htm
電気用品安全法(法令データ提供システム)

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO234.html
電気用品安全法のページ(経済産業省)

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/
電気用品安全法の概要(経済産業省)

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/outline/hou_outline.htm
電気用品安全法

http://homepage3.nifty.com/tsato/terms/denan.html   

                                               

                                                                                                                                 

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02/17/2006

みんなの心に空いた大きな穴

映画「ミュンヘン」のラストシーンに当然のように映っていた世界貿易センタービルの在りし日の姿が目に焼きついている。 ここ数日頭から離れない。 

なぜかと言えば、ひとつには懐かしいのである。 半年暮らしたNYでの日々に、展望台から観た下界の景色、書いた絵葉書にあった姿、屋上から見えた姿を思い出す。 その度に寂しさがあり、思い出したくない光景を記憶の引き出しのひとつにあわててしまい込むという作業を無意識にやる。 最近の映画や雑誌の写真でNYが写っていてもその姿はない。 NYの景色はあの二つのビルも含めて美しかった。 海から撮ったNYの景色のポストカードが好きだった。

映画の新作にツインタワーが出てきたのは、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」以外では9・11以後始めてだと思う。 事件を思い出させるものとしてタブーだったかもしれない。 「9.11(セプテンバー・11)」という映画ではビルの影として出ていた。 その影が崩れ落ちて日当たりの悪い部屋に日が差すというシーンだったが、それだけでもインパクトがあった。 すこしずつ9・11の影響と思われる映画が現れ始めた。ゴダール監督の「アワー・ミュージック」 ヴェンダース監督の「ランド・オブ・プレンティ」、名前は忘れたけど※女性監督の「愛をつづる詩」など。 スピルバーグ監督の「宇宙戦争」やピーター・ジャクソン監督の「キング・コング」にまで影響を感じたりした。 ※サリー・ポッター監督

そして戦争映画というより戦争を考える映画が増えてきた。 9・11のために公開が遅れたという「バッファロー・ソルジャーズ/戦争の始めかた」や「チーム・アメリカ」みたいなパロディ的な映画から、[「カンダハール」、「アララトの聖母」、「亀も空を飛ぶ」、「ヒトラー最期の12日間」、「白バラの祈り/ゾフィー・ショル最期の日々」、「ロード・オブ・ウォー」、「イノセント・ボイス/12歳の戦場」、「ホテル・ルワンダ」、「ジャーヘッド」、そして「ミュンヘン」。 私が観た中から思いつくものを挙げたけれど、これから来る「シリアナ」「グッドナイト&グッドラック」、「フライト93」、「World Trade Center」、まだまだ続々来るらしい。 *「ボブ・ディランの頭の中」も入れておこう。

長く口を閉ざしていた人々が真実を話し始めたこともあるかもしれない。 それを伝える手段としては映画はいい媒体だと思う。 人はみな真実を知りたいのだ。 「ホテル・ルワンダ」がミニシアターで大ヒットしているみたいだが、今までにないことだと思う。 世界中の人が無意識のレベルでは強く平和を願い始めたのではないか? スピルバーグやジョージ・クルーニーのような知名度高い映画人が覚悟のいる作品を作るのもそんな現われではないか? 人々が望まなければできないことだと思う。 それを嗅ぎ分ける鼻と強い意志の持ち主でもあるのだろうが。

「ミュンヘン」のあのラストシーンはテロップが流れているし意味ありげではないのだが、平和を願う気持ちがこもっているように思われるのだ。 日毎にじわじわとそう考えさせられるのだ。 

日本では「男たちの大和」があったが、9・11の影響かどうかはわからない。 

* 日本で観ることができるかどうかわからないが、ゴールデングローブ賞にノミネートされたという「パラダイス・ナウ」、ハニ・アブ・アサド監督はイスラエルのナザレ生まれ、「パレスチナ映画」と呼ばれ幼馴染のふたりの若者が自爆テロに向かう48時間を描いているという。 政治的視点からははずれて観たいなと思う。 作る側もそうではないか? 映画はあくまでアートだ。 文学と同じではないだろうか。 

                                          

 

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02/15/2006

2/18(土)Who’s Crazy? with Shoomy

2/18(土) 入谷・浅草合羽橋「なってるハウス」 

ミドリ  トモヒデ 「Who’s Crazy」

 
ミドリ トモヒデ(As) 清水良憲(EB)  木村勝利(Dr)  ゲスト:宅朱美(P・Vo)

TEL:03ー3847ー2113  http://members.jcom.home.ne.jp/knuttelhouse/

                                       

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02/10/2006

2/12(日) SHOOMY BAND CD「requiem」発売記念LIVE

2/12(日)  入谷・浅草合羽橋 「なってるハウス」  

SHOOMY BAND CD「requiem」発売記念LIVE

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宅"Shoomy"朱美  (P・Vo・voice) 加藤崇之 (G) 是安則克 (B) 樋口晶之(Dr) ゲスト:松風鉱一 (Sax・fl)
TEL:03-3847-2113  
http://members.jcom.home.ne.jp/knuttelhouse/

【SHOOMY BAND】
[MEMBERS]
Akemi "Shoomy"Taku(P,Vo)
Takayuki Kato(G)
Norikatsu Koreyasu(B) 
Masayuki Higuchi(Ds)
guest:Koichi Matsukaze(Sax,Fl)

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Shoomy’s songs are incomparably unique. Without being into any heavy emotional move or over-sentiment, she sings songs lightly with a rather dry voice but still makes the songs feel soulful and bluesy. Her style is not just a singing-along with the accompaniment, and has a strong standpoint which is equal to any other member of the band and is always trying to express her own identity.

-- from liner notes of Kazuo Nakamura on CD "SOL"

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02/08/2006

2/8(水) SHOOMY BAND CD「requiem」発売記念LIVE

2/8(水)  横浜・関内「エアージン」  

SHOOMY BAND CD「requiem」発売記念LIVE 

宅"Shoomy"朱美  P・Vo・voice) 加藤崇之 (G) 杉山茂生 (B) 樋口晶之(Dr)  ゲスト:松風鉱一 (Sax・fl)

TEL:045-641-9191  http://www.angel.ne.jp/~air-gin/Jazz/index.html

requiem_shoomy_bw

【SHOOMY  BAND】

[MEMBERS]
Akemi "Shoomy"Taku(P,Vo) Takayuki Kato(G) Norikatsu Koreyasu(B)  Masayuki Higuchi(Ds)     guest:Koichi Matsukaze(Sax,Fl)

Shoomy’s songs are incomparably unique.  Without being into any heavy emotional move or over-sentiment, she sings songs lightly with a rather dry voice but still makes the songs feel soulful and bluesy.  Her style is not just a singing-along with the accompaniment, and has a strong standpoint which is equal to any other member of the band and is always trying to express her own identity.

-- from liner notes of Kazuo Nakamura on CD "SOL"

                                                                                                         

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02/07/2006

映画 「ミュンヘン」 

すごい映画だ。

初日に観た。
現在(いま)、観られるべき映画だと思う。
何の説明もない。 それが事実を伝えるよい方法だと思う。
観る人によって意見が違ってくるだろう。
そのことが戦争が起こる原因の小さなひとつでもある。

演劇を観ているようでもあった。 
重い重い。 スピルバーグ監督は創るのに覚悟がいったと思う。

私の個人的な観方では、「宇宙戦争」に込められただろうメッセージとつながっているように思えた。

9.11以後、いろんな作品から影響を感じる中、「ミュンヘン」は「考えさせる」力を持った作品だと思う。

                                          

* 当然のようにラストに映っていた世界貿易センターの姿に懐かしさを感じた。  イスラエルであろうがパレスチナであろうがどちらにでも情報を売る組織(というかファミリーか)に現れるフランスの影の姿。 優雅な食卓で含みある言葉が交わされる。 怖いのはマフィア以外にもあるのだな。 (観た後に携帯に残していたコメント)

                                          

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02/02/2006

映画 「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」

休みだというのに雨の中を映画を観に渋谷まで出かけた。 せっかくのレディースデイなのにやめようかと思うくらい雨は本気で降っていた。 外は寒かったが映画を観終わって帰るころには雨も上がりコートもマフラーもいらないくらい温度が上がった感じだ。 春の兆しと思ってよいかな。

出かけて正解だった。  青山真治監督の「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」 かなり気に入ってしまった。  こういうタイプの映画はいい悪いではなく好きか嫌いかだと思う。  最後まで観れない人もいるだろう。  上映途中に大音量になる箇所があると断りの場内アナウンスがあった。  どんな映画があまり知らないまま作家の中原昌也が出演しているので気になり観に行った。 作家としても週刊誌「SPA」連載の「エーガ界に捧ぐ」のファンなのだ。 たまにそりゃないでしょと思う毒舌ぶりだったりするが、単なる映画評論家でない語り口が気に入っている。  映画のことなんかほんの何行しか書いてなかったりする。

 
ウイルスによって死ぬ意志はないのに自殺してしまうレミング病が地球上で流行り、主人公達の音響的轟音演奏が特効薬という内容。  浅野忠信がギタリストでもあったとは知らなかった。  二人の演奏するノイズミュージックは心地いいものだった。  前から中原昌也はどんなミュージシャンなんだろうかと思っていたが、「なんだ仲間じゃん」が第一印象。  私の感覚ではかなりレベル高いと感じた。  映画全体を通して細かい音まで聞き逃せなかった。 冒頭の海のシーンでの波の音ですでに 「これはいい! 好きな映画」 だと予感し、耳は自分も演奏するかのような状態にスィッチオン。 私にとってはカモメの声、自転車をこぐ音や車が走る音、ライターの火を点ける音など、すべてがフリーのインプロヴィゼーションのように聞こえていた。

遠い昔から世の中には様々な音が満ちている。 昔々、車や工場などなく草原の風や雨音などを聞き、作曲家が表した音楽はクラシックを聞けばわかる通りの世界。 時代は進み世の中も様々に変化し、車、鉄道、工場、都会の出現、飛行機、ロケットが飛び、日常は様々な物音、騒音で溢れている。 ノイズミュージックが現れて当然だと思う。 ある意味では最先端であるとも思う。 無意識の世界を表すにもノイズ系の音、映画で言えばSE(音楽でもサウンドエフェクト)の音がマッチするのだ。 聞く者に押し付けるものがない。 誰にでも当てはまる音空間なのだ。 

オヤジ(養父)は昔、ミュージックコンクレートの始まる前に似たようなことをラジオでやっていたそうだ。 スタジオのくず籠から紙くずを取り出してマイクに向けてガサガサという具合に。 家には映画音楽で使ういろんな笛や小道具があった。 そんなのを見たり聞いたりしていたせいで今の私があるんだろうか?

音楽的相棒である加藤崇之も浅野忠信演じる”ミズイ”のような轟音演奏を20年以上前からやっていた。 私もピアノでフリーミュージックに参加しているし、中原昌也演じる”アスハラ”がコンピュータで演奏するような音をシンセとリズムマシンを使いドラムンベース的リズムミックスの上でインプロヴァイズしている。 インナースペースへの旅の気分。  (私の母は晩年に聞いた話では高柳昌之の轟音演奏を聞きに行っていたらしい)                                                                       

常日頃から考えていたことが映画を観ていてまた浮かんだ。  ノイズや轟音は宇宙の音の再現ではないか?  前にボイジャーで録音されたというそれぞれの惑星の音というテープを7、8本持っていた。  今はもうない六本木WAVEで買ったがとても高かった覚えがある。  それがノイズの嵐のような音で妙にリラックスする音だった。  そしてリラックスとはドーンとするものだ、浸かりすぎるとぐったりする温泉での湯上りのような感覚だと感じた。 宇宙の始まりは轟音(爆音? ビックバンだから爆発音?)なのかもしれないと思いながら観ていたら、”ミズイ”のギターソロが始まると同時に地震が起きた。  始めは低音のせいで地響きがしていると思っていた。  席ひとつ隣の男性がなにやらあわてているので気がついた。  かなり揺れていたが私はそのまま演奏を聞いていた。
渋谷駅で震度4だったと知った。

* 「Eli,Eli,Lema Sabachthani?」 とはヘブライ語で「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや?」   

パンフレットをのぞいてきました。 700円なんて高すぎ!

                                           

                                                                                                  

                                        

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