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10/09/2006

映画「ワールド・トレード・センター」

先月の11日でパスポートの有効期限が切れた。  5年期限だった。 一度も使うことなく期限が切れた。 

そう交付されたのがあの9・11の前日だったのだ。
1ヶ月後くらいに国際交流基金関係の演奏の仕事でネパールに行くことになっていたが、一夜にして世界はテロの危機といういつ晴れるかわからない雲に包まれてしまった。 同行する予定だった生徒が母親からの反対を理由にキャンセルしたいと言って来た。 他に同行してくれるというフリージャズファンの男性ふたりも旅行社から何の連絡もなくどうなるのだろうかと心配していた。 ツアーに誘った責任上彼らと話し合い私も仕事をキャンセルすることに決めた。

事故が起こった時は確か吉祥寺サムタイムにいた。 自分のバンドでのLIVEを終えた頃だったと思う。 ベースのガッちゃんがメールでの知らせで世界貿易センターに飛行機が突っ込んだと叫んだ。 嘘だろ? そんなぁ 飛行機が飛ぶとこじゃないでしょ? 瞬間的にテロだと思った。 あまりのショックでその後はよく覚えていない。 翌日のバイトの面接もキャンセルしたくらいだ。
NYの友人が無事だろうかと心配したが、自分自身、傷ついたあのタワー、崩れるタワーを見たのはものすごいショックだった。 私は半年だがNYに住んだ経験がありあの2つのタワーが好きだった。 展望台から見下ろした景色は今でも頭の中にある。 迷ってもあのタワーを目指して歩けば安心だった。 愛着のあるあの景色が灰色の空と黒い煙に包まれていた。

映画はタワーから避難する人達を誘導するために危険を覚悟で中に入り崩れた瓦礫で生き埋めになった警官2人と救助に向かった人達と2人の家族がひとつになって支え合った物語。 これは実話だが、物語以上に物語だと思う。

事故をTVで見た敬虔なキリスト教信者で元海兵隊員の会計士は、神の声だとスイッチが入ったようにヘアカットし海兵隊ユニフォームに身を包みひとり進入禁止の瓦礫の中に救助に入って行く。 中ではもうひとりの海兵隊員に出会う。 そしてこの2人が生き埋めの警官2人を探し出す。 誰もがまるで映画みたいだと思うだろう。 

応急措置できる人間がいない中にやはり瓦礫の中に駆けつけていた免許を取り消されたという訳ありの看護師がいた。 もう避難しろと言われた時に、リハビリをしてやっと立ち直ったので今度は自分が役に立つ神がくれたチャンスだと言って居残り看護する。 きっとドラッグ中毒から立ち直ったのだろう。 

他の州から駆けつけた警察官たちやずっと消化にあたる消防士たち。 映画は2時間くらいで救出されるが、実際の生き埋めになった2人・救助にあたった人たち・救助されるのを待った家族たちは何時間もの時間を耐え頑張りとおしたのだ。 怖さもスクリーンの100倍だそうだ。 仕事とはいえこの人たちにも家族がいるのだと思うと、何ともいえない驚きと感謝で感動するとともに頭が下がる。 本人たちが出演していたというし救助された2人も警察官役で出演していたそうだ。 (実は映画「ユナイテッド93」も観たのだが、あの映画にも当時の管制官や軍人が多数出演していたという。 あの映画についてはまだ書けないでいる。)

昔からTVのニュースなどでどんなひどい状況でもあきらめずに救助する姿を見てきた。日本にないというわけではないけれど、外国ではという印象が強かった。 信仰の力かなと考えた。助け合う、支え合う、昔のよきアメリカ人のイメージでもある。 ほんとはそのイメージのままの人達がたくさんいるんではないか? 中には灰が舞うビル街のカフェでゆっくり珈琲を飲む人達もいたそうだが、怪我をした人に手を貸すホームレスもいたそうだ。

ひとつになること。 支え合うこと。 あきらめないこと。
まだ今歩きながら考えている。

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