1月に映画 「アース」 を観た。
映画 「ディープ・ブルー」 のスタッフが再集結し、地球上の生命の神秘に迫るドキュメンタリー。 (NHKの 「プラネット・アース」 は家にTVがないので残念ながら観ていない)
北極の氷の地を狩りのために歩くホッキョクグマ (シロクマ) のオス。 雪穴から目覚めるシロクマの親子。
熱帯パプアニューギニアの森で繰り広げられるカタハラフウチョウのユーモラスで華麗なる求愛ダンス。 カラハリ砂漠での水を求める象の大移動、砂嵐の中を進む親子。
子育ての地である熱帯の浅瀬から餌 (オキアミ) を求めて南極を目指すザトウクジラの親子。
繰り返し営まれる動物たちの命の物語をベルリン・フィルハーモニィ管弦楽団のフルオーケストラにのせて映し出す。
公開されてすぐに歌舞伎町で日本語吹き替えと知らずに観てしまい、改めて六本木ヒルズまで行って字幕版で見直したが、圧倒的に字幕版がいい。
日本語版は渡辺謙のナレーションだが、声のトーンが合っていない気がした。 しかもせっかくのベルリンフィルの音楽が小さいのだ。 字幕版では音楽も壮大で地球や動物達と共に主役な気がした。
製作5年、撮影日数のべ4500日、撮影地全世界200か所以上だという。 動物達がまるで目の前にいるかのように映し出される最新の撮影技術に驚く。
さまざまな生命が息づく地球の姿に、改めて地球をとりまく環境について考えさせられる。
美しい自然や動物達を見たい反面、温暖化による氷解でホッキョクグマが溺れ死ぬなどの動物達の受難のニュースを聞いている今、映画を観ることに勇気がいるようになった。
動物達を見て、わぁかわいい、かっこいい、うわぁ残酷と思うだけではすまないからだ。
残酷なシーンは控えてあるが、オオカミがトナカイを、チーターがインパラを、ライオン達がゾウを襲い、鮫がオットセイを仕留めても残酷だと思わなかった。 それより目の前に相当数いるゾウアザラシを仕留められなかったホッキョクグマが力尽きて眠る姿のほうがよっぽど残酷だった。 泳いでも泳いでもあるはずの氷がないなんて… 残酷だ。
彼は雪原を越え生きる為の狩りに足場になる氷がない海を泳ぎ続け、やっと見つけた獲物を疲れているだろう体で最後の力を振り絞り襲いかかる。 仕留めなければ死が待っている。 しかしゾウアザラシは彼と同じくらい体が大きくすごい牙を持っていて抵抗するのだ。 小物を狙わなければならないが一斉に逃げ出す中を選んではいられない。
ニュースを聞いてからホッキョクグマのことを考えただけで涙がでる。 去年の夏の映画「北極のナヌー」 はとうとう観に行く勇気がないまま終わってしまった。
「あんたは一生懸命生きているかい?」 と自分に質問してしまうくらい恥ずかしいが、観てよかったと思う。
ホッキョクグマの母親が縫いぐるみのようにかわいいコグマに授乳する時の幸せそうな顔、華麗な衣装でコミカルな求愛ダンスする鳥達、洪水のあとの草原を 「オッと オッと」 と子供を背負い歩いて行くヒヒの群れ、砂漠の中の小さな水場では普段仲が悪いゾウとライオンが相手を窺いながらも一緒に水を飲み、嵐の中をクジラの親子はヒレで水面を叩いてお互いの位置を知らせ合う、心温まるシーン。
そして美しい四季の花。 吉野の桜の開花のマジック。
「いかに生きる」 という前に 「生きる」 という大事なことがある。
勇気を出して 「いのちの食べ方」 を観に行こう!
☆特に好きな動物。
同じ道を2度と通らないというオオヤマネコ、雪の中を優雅に歩いていた。
何故だかオオカミが大好きで、ジャック・ロンドンの 「野性の叫び声」 は何度も読み返した。
アフリカではチーターが一番好きだ。 中学生の頃、「野性のガラヤカ」 という本に夢中だった。 「野性のエルザ」 よりも好きだった。 最近の映画 「ここに幸あり」 のチラシにペットとして飼われているらしきチーターが写っていた。 気になる。公開されたのだろうか?
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