2006年8月 1日 (火)

目印がない

たったひとつ信じていたものを見失ってしまいました。

濃い霧の中なのです。

もう 居場所がなくなりました。

今は 確かな点に立っているだけです。

                                                                                                   

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2005年10月 3日 (月)

小さきもの

                              

物干し台から大家さんの庭

ベージュの芝の上に猫

軒下のいつもの野良猫

宙に向かって軽く猫パンチ

背伸びしてほほえみ遊ぶ

いつもとちがう顔

風の精がいる  きっと

                    

坂道に向かってゆっくり散歩

風に吹かれ鼠の死骸ひとつ

あの野良猫かあのカラス

しっぽをつまみ草原に投げる

かわいそうだけど気持ち悪い

早く土になぁれ

土の精がいる  きっと

    

         ~クーヤンの一周忌に~   宅 朱未 

 *クーヤンが逝ってしまってもう10年以上たってしまいました。

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2005年7月15日 (金)

心の文字

                              

心の扉を開こうとしたら

光の向こうに文字がたくさん見えた

私の名前の一文字が朱色で踊っていた

その文字は掴まえたんだけど

残りの文字をまだ見つけられない

何色だったか思い出さなくっちゃ

確か  青い色があったな

遠く霞んで見える山の色

藍色  浮世絵のあの青

文字が目の前をくるくる  くるくる

掴まえられない

大好きな色なのに

探し求めた文字なのに

遠い記憶の中に廻ってゆく

                           

                 宅 朱未

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光る歯車

                             

小さな光る歯車がたくさん回って

大きな光る歯車が回って

そして  地球が廻っている

                         

『地球は青い』って

宇宙人が見たら  透明かもしれない

月が欠けたとき  真っ黒かもしれない

年にいっぺん  緑色かもしれない

                         

小さな光る歯車がこわれると大変だ

知らないうちに少しずつこわれたりすると

大きな光る歯車も少しずつ回らなくなってくる

どんなに小さな光る歯車でもとても大事なのだ

                            

光る歯車がうまく回っていると  地球は廻って青く光る

                                    

                             宅 朱未

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速すぎる!

                                

まわる  まわる  目がまわる

電波がまわって  情報がまわって

近ごろ  地球のまわりは忙しい

訳あって  ゆっくりゆっくり  まわっているのに

人間は猛スピードで駆けてゆく

                     

そんなに速くまわると

気持ち悪くなるよ

                   

電波が多すぎて

波動が乱れてしまう

テレパシーは大丈夫か?

地球の意志が届かない

自然の動きがもうわからない

                  

あんまり速くまわると

まわりが見えないよ

                

                 宅 朱未

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2005年7月 8日 (金)

自然が悪いんじゃないよ!

                                        

初めに野原があった

草を食む動物たちが  静かに生きていた

肉を求める動物たちも  平和に生きていた

すべての時が  自然に流れていた

地震が起こっても  それは摂理だった

人が野を耕し  家を建てた

文明が起こり  技術が発達した

車が走り  ビルが建ち  ボイジャーが飛んだ

文化という  大きな大きな流れができていた

地震が起こると  破壊でしかなくなった

でも  自然が悪いんじゃないよ!

                      

人間は  戦争でも破壊する

自然が悪いんじゃないよ!

                    

                  宅 朱未

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2005年7月 5日 (火)

水をあげよう

                                    

春の嵐にかまわずにぎわうスーパー

店先に激しくゆれるラベンダー

「連れて帰って  連れて帰って・・・」

ささやきが風に回って聞こえてくる

ぽっかり空いた胸の穴に飛び込んでくる

                         

深夜のコンビニ  まぶしすぎる灯り

片隅に干からびたヘリオトロープ

「助けて  お願い!  連れて帰って!」

瀕死の白鳥みたいに羽を閉じている

疲れた身体にやわらかい力が湧いてくる

                         

水をあげよう  苗に

水をあげよう  植物に

水をあげよう  乾いた心に

水をあげよう  傷ついている人に

水をあげよう  大切な人に

水をあげよう  自分を大事にするために

                      

                        宅 朱未

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真空

                 

人は空気がないと生きられない

水中でも生きられない

この星の大気圏だけに生きる

真空に囲まれている

閉じ込められているのかな

どこから  なぜ  生まれて

どこへ  なぜ  死ぬのかな

                   

                   宅 朱未

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2005年6月25日 (土)

夢日記から 3

                      

ビルが笑っている

風にゆれて笑っている

会社がたくさん倒産して

引っ越していった

いっぱいあったコンピュータやら

コピー機やらなくなった

体が軽くなって

ゆれる  ゆれる  スローダンス

でも  どこへ持っていったの?

                     

                   宅 朱未

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2005年6月24日 (金)

夢日記から 2

                            

父と母  遠くへ行く

私とぜんぜん違う方向

行くべき道を尋ねる

母  「それなら あっちよ」 

私はひとりで歩きだす

空を飛んでいる  どこかの駅前

大雨のため水溜り  浸水

ああ  また水がたまってる

貝ボタン色の天井と壁

黒い木が格子になっている部屋

つるつるの床  濃いベージュのタイル

二階までずっとなだらかな廊下

マイルスと話している

片膝ついて  片肘ついて  かっこいい

                      

                      宅 朱未                        

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2005年6月20日 (月)

夢日記から

                            

笑いだしたら体が浮いた

ふわふわ  どんどん軽くなる

このままいったらどうしよう

またおかしくて笑いだす

目が覚めたら窓の風景が動いた

ビルが歩いてるみたいに

でも夢だった

海にもぐっている

体がイルカとかマグロのようになる

魚にまちがわれないかと心配

新しいコンタクトレンズ

丸みのある星型でやわらかい

ライブでギタリスト曲を忘れた

『ちょっと待って  思い出すから』

目をつぶっている  ちょっと長い

まだかなぁと待っている

                     

                   宅 朱未 

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2005年6月17日 (金)

武器

                            

黒くどろどろに渦巻く思考

ゆがみ現れる隠された画像

コマ送りにささやきかける

悪夢にうなされた汗の苦さ

煮えたぎる嫌悪と不信

抑えきれず発射された邪推

突き刺さりふるえる言葉の棘

人は愛を武器にする

試そうとして自らも傷つく

                

                宅 朱未

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心の絵の具

月夜に向かって叫び飛ぶ鳥

その薄いベールの羽の色

                 

薄紫に透きとおり咲く石の花

その地下に流れる水の色

                    

濃い緑に縁どられ白く煙る森

その静けさをゆらぎ渡る風の色

                    

過去現在未来を紡ぎ束ねた虹の糸

その弦を響き伝える音の色

                      

灰色にふくらむ星を抱く蒼い海

その愛と苦しみの涙の色

                 

恐れ疑いくり返す嘘の歴史の輪

闇に救い求め差し出す幾千の腕の色 

                        

                        宅 朱未                    

                  

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2005年6月11日 (土)

うれしい雨と酸っぱい雨

赤い長靴はいて

わざわざ水たまりをさがして

ピッチピッチ  チャップチャップ  ランランラン

傘をほおり投げて

目を閉じ大きく手をひろげて

上をむぅいて  あぁるこおぉよ

ずぶぬれになっても気持ちよかった

叱られたって平気だった

昔  きれいでおいしかった雨が

今  酸っぱくて濁っていて怖い

濡れると頭にしみる

煙みたいな匂いがする

大事なものをどんどん溶かす

森が枯れてやせてゆく

熱帯雨林に  屋久島に

きれいな雨が降っているだろうか

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